【京都のお庭で植物が突然元気をなくす理由】もしかして、西日が原因かもしれません
ある日、庭の植物がしおれてきた…?
「毎日水やりをしていたのに、葉っぱが茶色くなってきた」
「日当たりが良い場所なのに、なんだか植物が元気がない」
「お庭に出るたび、葉がチリチリと焦げたように見える」
京都でお庭づくりをしていると、夏場にこうした声をよく聞きます。
植えたばかりの苗がしおれてしまったり、元気に育っていた庭木が急に調子を崩してしまったり…。でも、その原因が“日差し”だとは気づいていない方が意外と多いのです。
ただそれは仕方がないと言えます。日当りが良いのは良い事だと普通は思いますし、育て方などを調べると「明るい場所に」と大抵書いています。
しかし実はその悩み、強すぎる「西日」の影響かもしれないのです。
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実は強敵?西日の影響と庭へのダメージ
西日とは、午後から夕方にかけて差し込む、角度の低い強烈な日差しのこと。
特に京都のような盆地では、日中の熱気がこもりやすく、夕方になっても気温が下がりにくいため、西日の熱ダメージは想像以上です。
この時間帯は、気温も湿度もピークになりがち。葉は乾き、水分の蒸散が進み、植物はストレス状態に陥ります。
また、壁やフェンスからの照り返しも合わさり、植物にとってはまるで「サウナ」のような過酷な環境に…。なんとおぞましい ((+_+))
こうした環境下では、葉焼け・落葉・水切れ症状が見られることが多く、ときには回復が難しいダメージになることもあるのです。
植物を守るためのやさしい対策
1. 日陰をつくってあげる
強い西日をやわらげるためには、一時的にでも影をつくってあげる工夫が有効です。
実際に、先日弊社社屋のサンルームが暑すぎるため、35%遮光のシェードを天井下に付けただけで、一瞬にして6℃も室温が下がりました(設置作業中、みるみるうちに下がっていきました)。
たとえば:
- シェードセイルを使って広範囲に日陰を確保
- ガーデンパラソルで、苗木や鉢植えにピンポイントの影を
- 遮光ネットを立てかけて、即席の日よけにする
これらはすべて、夏の植物を「焦がさない」ための応急処置として役立ちます。特に、植えてから1年以内の若木や弱った植物には、積極的な遮光が効果的です。
強い日射しで葉が傷むことを「葉焼け」と言いますが、葉焼けの状態を人間で言う“日焼け”程度に思っている方も多いかと思います。ですがそうではなく、葉にとって実は“Ⅱ度、Ⅲ度熱傷”と同じ状態であると認識すると、射光の重要さが伝わるのではないでしょうか。
2. 西日に強い植物を選ぶ
どうしても西日が避けられない立地なら、そもそも西日に強い品種を選ぶという選択も。
たとえば
- シマトネリコ:常緑でやわらかい葉が西日を分散してくれる
- アオダモ:風に揺れる葉と白い幹が涼しげな印象
- オリーブやグレビレア:乾燥にも耐え、洋風の庭にも合う
オリーブ - アベリア、ヒメシャリンバイ:低木として暑さに強く、メンテナンスも楽
アベリア
これらの植物は、暑さと直射日光に対して耐性があるため、夏場の管理が格段にラクになります。
小さな工夫で変わる“お庭時間”
植物が元気だと、自然と庭に出たくなるもの。
逆に、しおれた葉や枯れた枝を見ると、庭に出るのが億劫になることもありますよね。
だからこそ、「日陰をつくる」「強い植物を選ぶ」といったちょっとした対策が、植物の健康を守り、私たちのお庭時間=庭で過ごす癒しの時間を支えてくれます。
さらに嬉しいのは、植物が元気に育っている庭は、体感温度が確実に下がるということ。
たとえば、木や草花が行っている蒸散作用は、葉から水分を放出し、その気化熱によって周囲の空気を冷やしてくれます。
また、光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出することで、空気が澄み、どこか清々しい空間に。
このように植物には、単に「目に涼しい」だけでなく、科学的にも空気を冷やす働きがあるのです。
そして、そこに木陰やシェードによる実際の遮熱効果が加われば、
真夏でもひんやりと感じられる、他より涼しい“特別な庭”が完成します。
京都のように暑さが厳しい地域だからこそ、
こうした自然の力を借りた工夫は、暮らしを豊かにしてくれるはずです。
家族やペットと過ごす時間がもっと心地よく、もっと楽しくなる。
そんなかけがえのないお庭時間が、ほんの少しの工夫から始まります。
まとめ:その原因、“西日”かもしれません。
「葉が枯れてきた」「水やりをしても回復しない」――そんなとき、意外な盲点となるのが西日の影響です。
京都の夏の庭は、まさに自然と向き合う場。
でも、その中で植物の変化に気づき、ちょっとした対策をすることで、ぐっと過ごしやすい庭に変わります。
植物を守ることは、家族の癒し時間を守ること。
ぜひ今年の夏は、「西日のせいかも?」という視点から、【植物にとっても、あなたにとっても心地よい“お庭時間”】をつくってみてください。
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