秋の気配を庭で楽しむ3つの過ごし方 ー自然と寄り添う季節庭のヒント

公開日:2025/08/30(土) 更新日:2025/08/30(土) エクステリアのなんでもコラム

初秋の美しい自然とベンチ

庭に立ったとき、ふと感じる空気の変化。そう、「秋の気配」です。ここ数日早朝は涼しくなり、秋の気配が顔を覗かせ始めましたね。

夏の強い日差しがやわらぎ光は柔らかく、空は高く澄み渡る。風には冷たさが混じりはじめ、草木は静かに色を変えていきます。
日は短くなり、だんだんと夏で高揚していた気分も穏やかに落ち着き出すでしょう。

そんな自然の移ろいを、庭という身近な場所で感じることは、心を豊かにする贅沢な時間だと思います。現代社会で常に忙しくしている人々にとって、とても大切にしたい時間ですね。

本記事では、「秋の気配」を庭で楽しむための3つの方法をご紹介します。植物や光、気温や湿度など、自然の要素に寄り添いながら、庭で過ごす時間をもっと豊かにするためのヒントをお届けします。

 

お庭で秋を味わう3つのポイント

1.空の高さと光のやわらかさを味わう

初秋の田舎風景

秋の訪れをまず教えてくれるのは、空と光の変化です。

夏には力強く輝いていた太陽が、秋になると角度を変え、光は柔らかなベールをまとったように優しくなります。
空を見上げるとどこまでも高く澄み渡り、雲は薄く輪郭を曖昧にしながら流れていきます。

庭に立ち、視線を少し上げてみてください。その背景に広がる少し高くなった青空と、生育期を終え秋冬支度が始まった木々のシルエットが重なり合い、まるで一枚の絵画のような風景をつくります。空気感も風も光も、全てが夏とは変化しているはずです。

庭のベンチやデッキに腰掛け、朝と夕方の光を感じるのもおすすめです。

朝は少しひんやりとした空気が頬をなで、露に濡れた草花が光を受けてきらめきます。
夕方には西日が赤みを帯び、木の葉や石畳に長い影を落とします。陰影のコントラストが生み出す情景は、夏にはなかった落ち着きと深みを感じさせます。

庭で過ごすこの時間は、ただ眺めるだけでなく、深呼吸をして空気の質感まで味わってみると、心がゆっくり整っていくのがわかります。秋だけの醍醐味ですね。

 

2.秋の香りと空気感を五感で楽しむ

キンモクセイ

秋は空気が変わる季節です。夏の重たい湿気は薄れ、やや乾いた透明感のある空気に変わります。
その空気に包まれて庭に立つと、キンモクセイの香りがふわりと風に乗って届き、どこか懐かしさを感じさせてくれたり、湿気が去ったクリアな空気に深呼吸したくなるような安らぎを感じたり。心の平安をもたらしてくれるのが、秋の空気の特徴です。

庭にハーブを植えていたら、ローズマリーやタイムに軽く触れてみてください。葉に含まれた香りが指先に広がり、爽やかな香りが秋の乾いた空気と溶け合います。昼間は、太陽のぬくもりを残した空気にこの香りが重なり、まるで庭全体が天然のアロマ空間のように感じられるでしょう。

香りのティータイム

そんな庭で、温かいハーブティーやコーヒーを片手に過ごすティータイムは、最高の贅沢ですね。
ほんの小さなテーブルと椅子を置くだけで、そこは自分と家族だけのカフェに早変わりします。庭で本を開き、風の音や鳥のさえずりをBGMに、香りを味わいながら過ごす時間は、秋の気配を全身で感じる至福のひとときです。

犬がいれば、私達人間よりも何倍も敏感に季節による香りの変化を感じ取っているはずです。秋のお庭ティータイムに愛犬がくつろぐシーン。最高の「お庭時間」ですね。

 

3.植物の彩りと実りを暮らしに取り込む

初秋の庭木

庭の植物も、秋になると表情を変えていきます。モミジやドウダンツツジは緑から赤へ、やがて黄色へと移ろい、葉先からじわじわと色がにじんでいきます。常緑樹の深い緑との対比が、秋の景色をより鮮やかに引き立てます。
ススキの穂は風にそよぎ、日差しを浴びて銀色に輝きます。そんな小さな変化に気づけるのも、庭で過ごす時間ならではの楽しみです。

植物の観察に加えて、実りを楽しむのも秋の醍醐味。庭で育てたローズマリーやタイムを料理に使えば、秋の香りを食卓にも取り入れられます。ブルーベリーや柿などの果実が実っているなら、収穫のひとときも格別です。摘んだ実をそのまま味わう瞬間は、秋の恵みを直接手にする喜びにあふれています。
オリーブを収穫できたなら、半年以上先の楽しみまで一緒に収穫。何とも得した気分になれます。

落ち葉のリース

さらに、庭の落ち葉やドライリーフを集めて、ガラスのボウルに飾ったり、リースに仕立てたりするのもおすすめ。足りない素材は100円ショップでも揃いますので、秋ならではの装いを手作りしてみるのはいかがでしょうか。
自然素材のインテリアは、家の中でも「秋の気配」を感じさせ、暮らしに季節感を添えてくれます。日本の四季の美しさが、私達日本人の心や暮らし・文化を豊かなものに育ててくれたのは、揺るぎのない事実であることを実感することができるでしょう。

 

まとめ|秋の庭で過ごす時間が心を豊かにする

初秋の赤もみじ

秋の庭は、空の高さ、光の柔らかさ、風や湿度、そして植物の色や香りが調和する、1年の中でも特に短い特別なひとときの舞台です。
「秋の気配」は、遠くの景色だけでなく、身近な庭にも確かに訪れています。その変化に気づき、五感で味わうひとときは、日常に小さな贅沢を与え、心に落ち着きをもたらします。

今年の秋は、庭で過ごす時間を見直してみませんか? 光を見上げ、香りを吸い込み、足元の草木に目を向ける。それだけで、庭はあなたにとってかけがえのない季節の舞台となるはずです。

手入れや直し・やり変えたい箇所など、夏のダメージの修復は秋のお庭に整えるお手伝いがあれば、お気軽に当店までご連絡ください。
これから剪定時期でもあり込み合いますので、お早目のご連絡が安心ですよ。

 

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