ビカクシダの沼の秋

公開日:2025/11/18(火) 更新日:2025/11/23(日) Cotoha uji/植物オタク

中の人宅のビカクシダたち

こんにちは、中の人です。

今週から急に寒くなりましたね。朝晩などはコートが無いと寒くて外出できないほどですが、日中との気温差が気になるところ。
また、暑さが続いて急に寒くなるせいか紅葉せずに落ちてしまう葉が増え、美しく赤に染まった紅葉がやはり見られなくなってきましたね。標高が高い場所でないと、どんどん紅葉を見るのは難しくなるのでしょう。。。また氷河期へ向かうサイクルに入るのを待つしかないのだろうけど、寂しいですね。

平安時代は今と同等かもっと暑かったと言われています。ですが紅葉を愛でる文化は貴族にはあり、さらに遡り奈良時代は紅葉を「黄葉」と書いたそうで、もしかすると奈良時代は近年同様紅葉前に落葉してしまっていて、平安時代途中から江戸時代にかけて氷河期へ向かうサイクルに入り、「黄」葉が「紅」葉するようになったのだとしたら、今はその逆サイクルなのかもしれません。

温度計がなかった以上、平安時代や奈良時代の正確な気温はわかりませんけどね。。。物理的に残っているものから調べるしかありません。
でも、それも歴史ロマン!

と言うわけで、6月の「ビカクシダの沼」ブログのその後をレポートしたいと思います!

 

生育スタイルと季節

中の人宅はビカクシダが現在6株なのですが、最初に育て始めたアンゴレンセくんに絞って書きますね。

まず、6株のビカクシダを育てていて思うのは、「春は胞子葉」「秋は貯水葉」がよく育つなぁと言う事です。
日照時間が長い春~夏に、光をしっかり浴びて光合成するために胞子葉を。秋は水をしっかりと溜め込めるよう貯水葉を、という感じでしょうか。

ただ、アンゴレンセくんは全く違いました。何と他の品種とは逆で、春~夏に貯水葉が3枚も育ち、9月半ばころに胞子葉が2枚出て来始めました。
これはなぜでしょう?

貯水葉1枚目
6/15
貯水葉2枚目
8/17
貯水葉3枚目
9/23

初夏から秋の始めにかけて育った3枚の貯水葉

 

中の人宅のアンゴレンセくんは、ウガンダ・ワイルド(ワイルド=自生していた株、またはその子株)なのでウガンダの気候を考えると答えが出そうですね。
と言うことで調べてみました。

ウガンダは赤道直下ですが標高が高いため、温暖な気候で年間を通した寒暖差は激しくないようです。しかし、アフリカなので【雨季と乾季】があります。

  • 雨季は3~5月・9~11月
  • 乾季は12~2月・6~8月

中の人宅では6~8月で貯水葉が3枚育ちました。またアンゴレンセくんを購入したのが1月で、貯水葉は購入後しばらく貯水葉2枚目が成長していたので、アンゴレンセくんは【ウガンダの乾期に貯水葉を出している】と言えそうです!
そして雨季は日照量が減るため、光合成のために胞子葉を出す。胞子葉が出始めたのは9月半ばでしたので、まさにウガンダの雨季。

なんと賢い子なんだ・・・

日本に来て気象状況が違うのに、親株から受け継いだ遺伝子の通りに生育しているのですね。驚きです。Spore(胞子培養、胞子から育てた株)だと、日本で発芽している場合は日本の気候に合わせた生育になるのかな?次はSporeのアンゴレンセくんにチャレンジ!してみたいですね。

秋に出始めた胞子葉
9/17 3枚目貯水葉が生長中に、胞子葉も発生!
秋に育ち始めた胞子葉
10/28 若干あらぬ方向に育ってないか?

 

生育の様子

前述の通り、アンゴレンセ君は貯水葉が3枚、胞子葉が2枚、(2025年11月22日現在)育ちました。
しかし、他にも育ったものが実はあります。

それは・・・

 

 

こ・か・ぶ★

そう、子株です!しかも3株も!!
2株は先に出ていたので早く見つけていたのですが、ある日の水やりの際、気づけば3株目が貯水葉裏の水苔から育っていたのです。

子株1
9/14 何か突起?と言う感じは8月からあったのですが、明確に子株と気づいたのはこの日。
子株2
9/14 子株2。こんなほぼコルクの位置に・・・

 

まぁ・・・よく育ってくれました。
子株が育つのは、しっかり根が張って健康な株である証拠で、胞子だけでなく子株を出して増殖しようとする生殖活動だそうです。

ただ、2株は割と水苔が少ないほとんどコルクの場所に出ているので、根が増える前に水苔を足すべきか悩み中です。。。
少しコルク上の位置を調整したいのもあるので、中の人は恐らく足すでしょう。

生長点が育つごとに上(光の方)へ育っていくので、ある程度育つと株の全体位置が想定より上になることもあるのですよね。
着生の位置が悪いと、水やりの際にバランスが悪く倒れてしまうことがあります。顔面強打で生長点をつぶしかねないため、ある程度株が育ち大きく&重たくなってきたら、持ちやすい且つ立て掛けた時のバランスが良いように、コルク上の位置や水苔の量を調整すると良いです。

11/7に気づいた3株目!
11/17 貯水葉裏の水苔に3株目!こいつは救出しやすそうだ♪
11/17の子株1
11/17 子株1。耳っぽくなっている(笑)
11/17の子株2
11/17 子株2。幼胞子体?子株でも同じように呼ぶのかな?
胞子じゃないからただの「幼苗」かな

 

胞子葉の枯れ様

最も古い胞子葉の枯れ

月半ばに新しい胞子葉が育ち始めてから、最初に育った胞子葉が枯れ始めました。
またこの枯れ方が渋いと言うか、生々しいと言うか。とにかく胞子葉が大きいので枯れすらも迫力があるんです。

ポロっと落ちるまでそのままにしておきますが、1枚落ちてアンゴレンセの胞子葉が3枚の姿って、想像すると何だか不思議です。
象の耳のような姿から「エレファントティス」と呼ばれてきたのに、3枚あったら耳じゃなくなってしまいますよね(笑)

しかし、どんな姿も楽しませてくれるのがビカクシダの魅力。ぜひたくさんの人にその魅力を知ってもらえると嬉しいです★

11/5 少しずつ枯れが進む胞子葉
11/5 少しずつ進む枯れ
水彩画の塗配色のよう。
11/12枯れ行く胞子葉
11/12 更に進む枯れ。枯れ行く胞子葉でも星状毛はしっかり。

 

<追記>

11/22、水やりのためシンクへ移動させる際、他の水やり済植物の葉っぱにアンゴレンセの胞子葉が引っかかった所、ぽろり!
どこにあったかわからないほどにきれいに落ちました。

最初に育った胞子葉。ご苦労様でした ( ; v ; )

アンゴレンセの枯れ落ちた胞子葉
おつかれさま。( ^ _ ^ )

 

11月30日(水)はワークショップ★

はんなりマルシェ11/30 ITAYA KOBO

 

P.Coronalium
P.Coronalium

 

ウィリンキードワーフタツタ
P.Dwarf Tatsuta

 

ウィリンキーバクテリア
P.Willinckii Vacteria

P.Ginka
P.Ginka

 

ウィリンキージェニー
P.Willinckii Jenny

 

まもなくやってくる11月30日(水)は、ドワーフ種を含む5種類のビカクシダから好きな品種を選んで着生できる、ビカクシダファンだけでなく初めてさんにもたまらないワークショップです!育成が極端に難しい品種はありませんので、安心して選べますよ♪
成熟株の写真を見て“バチ”っとくる姿の品種を選んで、理想の株姿を追いかけて育成しませんか?

LINE公式アカウントのチャットで、ワークショップ後も気軽に育て方などご相談いただけますよ♪

会場は屋外(屋根あり)のため、11月1日に店舗にて開催したワークショップの簡易版として開催します★まだ枠に余裕がありますので、ぜひご参加ください!

詳細ページ&予約

 

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