よっぱらいの木
こんにちは、Cotoha ujiの中の人です。
Cotoha ujiは観葉植物専門店ですが、運営会社の(株)庭雅は造園から始まったエクステリア設計・施工事業者です。社内には屋外の植物のプロも当然おりまして、中の人は屋外植物にも目を向けるうち、ボトルツリーにハマってしまいました。
とは言っても植物園や沖縄県でないとなかなか見られませんので、中の人は「家で育てよう!」と無謀にも考えてしまいました。
そして昨年夏に早速苗を購入。ブラジルやアルゼンチン原産の「トックリキワタ(パラボラッチョ)」です。
この爽やかな葉♪素敵ですよね☆ですがこの子、爽やかなのは幼苗の時だけ。地植えで生長するととんでもない木になるのです。
何せ「パロボラッチョ」とはスペイン語で「よっぱらいの木」と言う意味だそうで、酒飲みさんのお腹の様子に似ているから呼ばれるようになったとか。爽やかではない・・・
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画像出展:石垣島の植物通販 ファンタジア 有名なガラパゴスの「バオバブ」と同じパンヤ科(アオイ科)のトックリキワタ。 バオバブはあの姿になるまで300年ほどかかるそうですが、トックリキワタは何と、20~30年で画像の姿に! 実生から育てても、生きているうちにボトルツリーに成長した姿を見ることができる、貴重な存在です★ |
「パロボラッチョ」は実際にはトックリキワタのみではなく、ゆっくりと下膨れした巨木に成長するケイバの仲間を総称して「パロボラッチョ」と呼ぶようです。乾燥林(乾燥地帯に発達する森林で、植物や動物が乾燥条件に特化した様々な適応をしている)原生の寒さに強いパロボラッチョもあるようですが、トックリキワタは耐寒温度が5℃と言われ、寒冷地での越冬は難しいと言えます。日本では沖縄と鹿児島の一部のみで地植えされています。
因みにケイバは現在17種に分類されており、その不思議な形状から自生地で生活をしていたマヤの人たちには、天と地中をつなぐ植物として特別扱いされてきたそうです。
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外で元気に育ってもらおうと、ベランダに出しました。 すると、、、一瞬で根っこが鉢底から脱走。この画像は4号スリットですが、このスピードではすぐに鉢を割ると感じ、6号に植替えました。 根っこが強靭なので、1か月の内に2回も植え替えましたがもろともしませんでした。 案の定、6号もすぐに脱走。 |
トックリキワタは花木です。花色は桃・赤紫・白・淡黄色と多彩で一花が数日持ち、さらに花数が多く、樹全体としては、一ヶ月ほど咲き続けます。
特徴的なのは幹肌のトゲで、太く鈍いトゲなので触ると即座に危険なトゲではありませんが、ぶつかるとそれなりに痛いようです。嫌な方はそぎ落として問題ありません。
花が咲いた後は楕円状の実ができ、「キワタ(木棉)」の名の通り、“カッポク綿”と呼ばれる綿に包まれた種子をつくります。日本では沖縄でも実がなるのは困難なようで、挿し木や接ぎ木で増やすのが一般的のようです。
画像出典:wikipedia
実生苗の放任栽培では1.5m程度に達するまで分枝はせず単幹で成長するそうなので、鉢植えで育てるならば早めに剪定などで樹形をつくっていく必要がありますね。
中の人宅のトックリキワタ苗さんは、実はこの冬、外で最低-5℃にさらされました。
観葉で室内のスペースがなく、取り込んであげられなかったのです。かわいそうに・・・
対策として、
- プチプチ緩衝材で鉢ごと包み根鉢の冷え対策
- 発砲ポリエチレンシートで土もガード
(人が毛布に包まった状態と同じ感じ) - 元々水やり時の水切り対策でフラワースタンド?で地面から浮かせているため、地面からの冷気がダイレクトに鉢へ伝わるのを防ぐ効果がある
上記3点で、特に簡易ハウスを立てたり風よけをしたりはしませんでした。
「耐寒温度は5℃までって言ってるじゃないかぁぁぁぁぁぁ」と叫びが聞こえてきそうですが。。。
冬場の様子は画像が無くすいません…
映えないし動かないので撮影をすっかり忘れてしまっていました。
結果、3月後半になっても動きはなく・・・枯らしちゃったかな…と悲しくなり、ある日根鉢の様子を見ようとじっくり観察していると、何だか株の中心と縦軸がズレていたのです。発砲ポリエチレンシートを抑えるためにステンレススコップを重石代わりに置いていたので、株に当たってて圧力かかってたかなー?なんて思いながら抜いてみると。。。
立派な根っこ!育っていました!ガジュマルの根上げ部ぷっくりが、鉢サイズが足りずに捻じれているようなイメージです。
そう、なんと-5℃に耐え冬を超えてくれたのです!
雪も積もったのに。対策はしたとは言っても、すごい子です。
ただ寒さに当たり続けたせいでしょう、新芽が動き出すのは遅かったです。4月の後半くらいでした。
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出たーーー!爽やかな子たちが!ですがさすがに、上の方は枯れてしまいました。ただどうせ樹形をつくるために剪定するので、生き残ってくれていただけで…感無量です。
赤で示した部分が枯れてしまいました。
明らかに色が違いますね。
今年の生育期でどんな樹形に育っていくのかがとても楽しみです★
そして冬はまた…耐えてもらいましょう。幼苗の段階で-5℃に耐えましたので、おそらく大丈夫でしょう。
ちなみに根っこ確認をしたときに生きていたことが分かった時、即、無機質用土に植え替えました。強靭な根っこをもっと強靭に、冬場に強いトックリキワタに育てるためと、できるだけ大きくならないようにするためです。
とは言え、カッコいい樹形に育てるにはある程度大きい鉢まで育てないとトックリキワタの魅力が堪能できませんので、鉢増しはする予定です。
太さも出したいので10寸までは必要かなーと思っています。
鉢植えなので生育のために春だけ軽めに置き肥をしていますが、それだけで他には施肥をしないで管理してみます。トックリキワタは基本的には肥料なしで健全に生育するそうなので。
ではまた、生育報告したいと思います!
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