犬と、庭のリノベーション。お互いが心地よく過ごすために|ドッグランだけに頼らない暮らし再設計庭づくり

ガーデンエレガンスが得意としている「犬+庭リノベーション」。家族と犬がお互いが心地よく過ごすための庭づくりはどうすればよいのか、最新の世情を踏まえて考えてみましょう。
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◆ ドッグランだけじゃない、“共存”の発想
京都でも犬と暮らす家庭が多く、それに合わせて「犬と過ごせる庭づくり」や「ペット対応の外構リフォーム」への関心が一層高まっています。
SNSなどでは「おしゃれなドッグランのある庭」というテーマをよく見かけますが、実際の暮らしでは犬が庭で走り回っている時間は意外と短いもの。
多くの時間は、飼い主と一緒に過ごす穏やかなひとときです。
そもそも犬にとって充分な運動量は、一般的な住宅の庭では確保するのは非常に難しいです。そのため、庭を“運動の場”としてだけでなく、“共に暮らす空間”として考えることが大切です。
いわば、「共存型エクステリア」という発想。
これは、犬と人のどちらか一方に合わせるのではなく、お互いがストレスなく快適に過ごせるバランスの取れた外構デザインを指します。
たとえば、室内からスムーズに出られる位置にウッドデッキを設けると、犬が安心して外へ出られる“中間領域”ができます。
外と内をなめらかにつなぐ動線があることで、犬は家の延長として庭を認識し、飼い主も視線の届く範囲で安心して過ごせます。

京都のように四季がはっきりした地域では、季節の移ろいを感じながら庭で過ごす時間が特別なものになります。
春や秋にはやわらかな風を感じ、冬は陽だまりを探し、夏は木陰でひと息つく。
植物も日照時間や気温で季節を感じて変化し、四季を感じる空間に導いてくれます。
そんな自然のリズムに寄り添った暮らし方こそ、犬と人が一緒に心地よく過ごせる庭づくりの基本なのです。
◆ 犬にやさしい素材・段差・日陰づくり

庭をリフォームする際、まず意識したいのは「地面」と「温度」です。
犬の足裏(肉球)は人よりずっと敏感で、熱や冷たさ、滑りやすさに影響を受けやすい部位。素材選びを間違えると、思わぬストレスやケガにつながることもあります。
天然芝はクッション性が高く理想的ですが、管理が大変な場合は人工芝でも問題ありません。
ただし、京都の夏は気温が高く地面も熱を持ちやすいため、遮熱タイプの人工芝を選ぶのがポイントです。
最近は見た目も質感も自然に近いタイプが多く、メンテナンスも簡単。
適度な弾力があるため、小型犬やシニア犬にもやさしい素材です。
また、タイルやコンクリートなどの硬質素材を使う場合は、滑りにくい仕上げを選びましょう。
雨上がりや朝露の時に滑ると、犬の関節を痛める恐れがあります。
特に玄関前やアプローチまわりをリフォームする際には、ノンスリップ仕上げのタイルを採用するのがおすすめです。

次に考えたいのは段差と日陰。
犬は高低差のある場所を好む傾向がありますが、階段や段差が急すぎると、腰や脚に負担がかかります。
アプローチやテラスを設計するときは、段差を小さく・スロープをゆるやかにしてあげることが大切です。
そして忘れてはいけないのが「日陰」。
京都の夏は日差しが強く、照り返しも厳しいため、庭には常緑樹やシェードでつくる休憩スペースが必要です。
シマトネリコやソヨゴなどの常緑樹を植えると、葉のゆらぎが風を和らげ、やわらかな木漏れ日が生まれます。
犬が涼みながら家族の気配を感じられる木陰は、まさに“安心の居場所”です。
◆ 家族もくつろげる“シェアガーデン”の考え方

犬のための庭リフォームを計画するとき、つい「犬のスペース」と「人のスペース」を分けて考えがちです。
しかし、理想的なのは“どちらもがくつろげる一体空間”=シェアガーデンです。
たとえば、庭の一角にベンチを設ければ、犬が遊ぶ姿を眺めながら家族がティータイムを楽しめます。
ウッドデッキやタイルテラスをつくっておけば、犬はその下で日陰を見つけ、家族は上でくつろげる。
そんな立体的な共存空間が生まれます。
また、外構リフォームの際に小さなガーデンシンクを設けておくと、散歩帰りの足洗いや水遊びもスムーズ。
ホースをつなげば、夏場には簡易シャワーとしても活用でき、お湯が出る製品も多くあります。
このような“ちょっとした設備”が、暮らしの快適さを大きく変えてくれます。

夜には、やわらかい照明を灯して庭をライトアップ。
犬の動きが見えるだけでなく、家の中からの眺めも美しく、京都の夜風を感じながら過ごす静かな時間が生まれます。
ライティングは防犯にもつながるため、機能面でもおすすめです。
このように、犬と人がそれぞれのペースで過ごせる「共有の庭」は、家族全員にとって心地よい場所となります。
犬と庭のリノベーションとは、ペットのためだけの外構計画ではなく、家族の暮らしそのものを再設計するエクステリアリフォームなのです。
◆ まとめ:犬と人、両方にやさしい庭を京都で

京都は四季ごとに表情を変えるまち。
春の花、夏の木陰、秋の落ち葉、冬の陽だまり——そのすべてを感じられる庭は、犬にとっても人にとっても最高の癒しの場所です。
外構リフォームを考えるときは、デザインや素材の見た目だけでなく、
・地面のやさしさ
・季節ごとの温度変化
・風や光の流れ
といった「体感の快適さ」を重視してください。
“犬のための庭”をつくることは、“家族の暮らしを整える”こと。
京都らしい自然と調和したエクステリアデザインで、
走る・くつろぐ・寄り添う──そのすべての時間を包み込む「お庭時間」をつくってみてください。