雑木の庭

雑木の庭は、里山にあるような樹木や草花を使って作庭する庭のことです。建物やエクステリア全体に合わせて海外の品種や園芸種を使っても、自然風に馴染むのであれば問題ありません。

日本の里山を思い出すと何だかホッとしますよね。まさにあの風景を庭に取り入れるのです。ナチュラルガーデンと通じるものを感じますが、雑木の庭の主役はやはり樹木。

高木をメインに中低木・山野草、苔をバランス良く取り入れ高さを操るのも、美しさと自然さを出すために重要な要素です。

雑木の庭は、山採りの樹木を使うと素朴ながらも大変美しい仕上がりになります。里山の自然の中で育った樹木はとても力強く、のびのびと育ったその樹形も非常に魅力的です。そのため、建物のスケールが大きい場合や周辺に自然が多い場合、山採りのダイナミックな樹木での作庭はバランス良く仕上がります。

そして、雑木の庭の樹木にはわざと落葉樹を使うことが多くあります。
季節の移ろいを生き生きと感じられたり、冬は葉が落ちることで日差しを通すことができるため、自然のカーテンを開け閉めするような風情がありますね。

代表的な雑木の庭をご紹介

東京・等々力渓谷の雑木の庭。昭和の東京を代表する造園家・飯田十基の現存作品で、雑木の庭の代表策と名高い。

自然の風景をそのまま庭に取り入れたような自然な美しさと、四季折々の変化を楽しめるのが最大の魅力。

渓谷は東京都指定文化財(東京都指定名勝)であり、渓谷の自然を活かした美しい庭園として、地元の人から大変愛されている。

飯田十基（じゅうき）は、渓谷自然の木を極力伐採せずに活かしている。
彼の手掛けた庭園としては、成城学園にある旧猪俣邸や、春雨庵（山形県上山市）がある。

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