サボテン -ドライガーデンの王者-

サボテン -ドライガーデンの王者-

サボテン

学名:Cactaceae
和名・別名:サボテン、カクタス
科名:サボテン科

 

サボテンは、サボテン科に属する多肉植物の総称です。南北アメリカ大陸を中心に周辺の島(ガラパゴス諸島など)に2,000種類以上が自生しています。
サボテンと言うと暑く乾燥した場所をイメージする人が多いと思いますが、熱帯森林に自生する着生種や氷点下でも生きる種、高山に生える種など様々なサボテンがあります。

なぜ「サボテン」とよばれるようになったかは、16世紀後半に南蛮人によって初めて持ち込まれた頃、南蛮人が「ウチワサボテン」の茎の切り口で畳や衣服の汚れをふき取り、樹液をシャボン(石鹸)としてつかっていたため「石鹸のようなもの」という意味で「石鹸体(さぼんてい)」と呼ばれるようになった、とするのが有力です。

アストロフィツム オルナツム 般若
アストロフィツム オルナツム(般若)

 

サボテンは多様な形状がありますが一般的に、茎は筒形・球型、葉は針状または退化しています。
葉が変化した短い枝(短枝)と考えられている「刺座(しざ、アレオーレ)」と言う器官があり、トゲが無い種類のサボテンでも刺座は必ずあります。そのため、一見サボテンのように見えたり逆にサボテンには見えない植物でも、刺座の有無でサボテンかどうかが判断できます。

刺座
棘や針が生えてくるモケモケした台座のようなものが刺座

 

食用のサボテンもあり、森林性のヒモサボテン属の果実・ドラゴンフルーツ(ピタヤ)は有名です。サボテン自体を食用にするもので言うと、ウチワサボテンの若い茎節はノパルと呼び、メキシコ料理では野菜として使われています。

ヒロセレウス(ドラゴンフルーツ)
ドラゴンフルーツは追熟しないので、収穫後は速やかに食べよう

 

【サボテンの大まかな分類】
分類名    
サブタイプ 代表属・種名 主な特徴
【柱サボテン】    
単幹・分枝 セレウス 高く柱状に成長、分枝あり
【柱サボテン】    
単幹 カーネギア 巨大に成長、サワロとして有名
【球サボテン】    
多棘球形 エキノカクタス 金鯱に代表される、丈夫で人気
【球サボテン】    
コンパクト系 ギムノカリキウム コンパクトで色変わりも豊富
【ウチワサボテン】    
扁平型 オプンチア、バニーカクタス パドル型の節、繁殖容易
【ウチワサボテン】    
大型可食 ノパル 果実と茎が食用に
【森林性サボテン】    
つる状 リプサリス 熱帯着生型、トゲなし
【森林性サボテン】    
葉状茎型 エピフィルム 月下美人など、夜咲き
【森林性サボテン】    
多肉性 ハティオラ 細い節、シャコバサボテンの親戚
【珍奇系】    
綴化(てっか) アストロフィツム他 茎が異常成長(波打ち等)
【珍奇系】    
無棘 ロフォフォラ 無棘で柔らかく薬用種も
【珍奇系】    
星型 鸞鳳(ランポー)玉(アストロフィツム) 稜が五角形、模様あり

 

サボテンの管理方法

上記の表のとおり、サボテンとは言っても多種多様なため、一概にこうだと言える管理方法はありません。
しかし、共通の管理ポイントはいくつかあります。

  • 水やりは“乾いてから”が鉄則。
    根腐れ防止のために、乾いてから数日おいてもOK。
  • 風通しの良い場所で管理。
    蒸れは病気の原因になります。
  • 肥料は控えめに。
    成長期に緩効性肥料を少量で十分です。

上記3つのポイントは、風通しの良さ以外は多肉植物特有と言えますね。
では上記表の大分類別に管理方法を見ていきましょう。

 

柱サボテン類(セレウス、トリコセレウスなど)

柱サボテン

◆縦に伸びるタイプで、成長が早いものもあります。

  • 水やり:成長期(春〜秋)は週1回、冬は断水。
  • 日照:直射日光OK。よく日に当てるほど丈夫に。
  • 温度:0℃以上。寒さに比較的強い。
  • 用土:水はけと通気性が良いもの。
  • 植え替え:成長が早いので毎年でも可。

 

球サボテン類(フェロカクタス、ギムノカリキウム、ロフォフォラなど)

球サボテン

◆丸みを帯びた形が多く、棘が目立つものも。

  • 水やり:春~秋は月2回、冬は断水。
  • 日照:日光を好むが、真夏の直射日光は遮光を。
  • 温度:5℃以上を保つ。
  • 用土:水はけの良いサボテン専用土。
  • 植え替え:2〜3年に1回、春または秋。

 

ウチワサボテン類(オプンチアなど)

ウチワサボテン

◆平たいパッド状の茎が特徴。

  • 水やり:月2~3回(乾いたらたっぷり)、冬は控えめ。
  • 日照:非常に日光を好む。屋外管理も◎
  • 温度:0℃以上をキープ。
  • 用土:肥沃すぎず、水はけ重視。
  • 植え替え:パッドが増えてきたら。

 

森林性サボテン類(リプサリス、エピフィルム、シュルンベルゲラ(シャコバサボテン)など)

リプサリス

◆熱帯林に自生、湿潤な環境を好む。

  • 水やり:春~秋は週1〜2回、冬も月2回ほど。
  • 日照:直射日光はNG。半日陰で管理。
  • 温度:10℃以上を保つ。寒さに弱い。
  • 用土:ピートモス+軽石系など保水性あり。
  • 植え替え:1~2年に1回、成長期前に。

 

珍奇サボテン類(アストロフィツム、アリオカルプスなど)

アストロフィツム

◆個性的な見た目で人気。成長が遅めの種類が多い。

  • 水やり:月1〜2回。過湿厳禁。
  • 日照:直射日光が良いが、夏は遮光。
  • 温度:5℃以上。寒さにはやや弱い。
  • 用土:極めて水はけの良い配合を使用。
  • 植え替え:2〜3年に1回。根の乾燥を確認後に。

 

 

一口にサボテンと言っても、その種類の豊富さは前述の通りです。上記は大分類の大まかな共通管理点ですので、細かく品種を見ていくと当てはまらないものも当然あります。

ですがそれが園芸の楽しみとも言え、成長段階で違いに気づき管理を変えると元気に成長していく様子が、サボテン育成の醍醐味になるのではないかと思います。

 

 

 

 

マルバノキ ヤマボウシ キンモクセイ

 

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