ビカクシダ（コウモリラン）

学名：Platycerium
その他の名前：コウモリラン
科名 / 属名：ウラボシ科 / ビカクシダ属

 

ビカクシダは樹木に着生しているシダの仲間で、原種は18種あります。
原産地はアフリカやマダガスカル、アジア、太平洋諸島、オーストラリア、南アメリカの熱帯などに分布し、胞子培養で交配・交雑させた園芸種が多数生み出されています。
その個性的な姿や生態に根強いファンが多く、コレクターも存在する植物です。

別名「コウモリラン」とも呼ばれ、これは昭和の時代に貴重とされた蘭にあやかり、胞子葉の見た目がコウモリが羽を広げた姿に似ていることから呼ばれるようになったようです。蘭の仲間ではありません。

ビカクシダは空中湿度を好み、貯水葉(外套葉)と呼ばれる部分に水を溜め込みます。
生長点がありそこから貯水葉と胞子葉を成長させます。根は木や岩に着生するため貯水葉の裏に広がり、覆い隠されて見えません。

根茎が分岐し新しい生長点ができ子株を吹きやすい種類もあります。

株が成熟すると胞子葉に胞子嚢を付け、胞子嚢の中に沢山の胞子を貯えます。乾燥すると自然に落下し胞子嚢がはじけ、胞子を放出します。

胞子葉は次第に枯れますが、生長点から新しい貯水葉を出し上から上から重なっていくことで、更に株が大きく成長していきます。
根っこは着生するための役割が大きく、水の吸い上げもしますが基本的にはしっかり渇いてから水やりをしましょう(品種や着生環境による)。
霧吹きで葉水をし、生長点を乾かさない事が大切です。

貯水葉や胞子葉には粉のようにも見える白い毛「星状毛」(植物の体毛「トリコーム」の一種)があり、蒸散を防ぎ水分量を調節したり、強い日差しによる葉焼けから葉を守ったりします。
星状毛の量で、原生地の環境がある程度想像できるような気がしますね。

 

 

 

       

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