【和・坪庭】匠の庭
和風庭園の匠「田崎雅久」の作り出す世界をご紹介。伝統的な和、現代にマッチした和とモダンの融合。様々なメディアでも評価される匠の世界観をじっくりとお楽しみください。
経歴
田崎 雅久(たざき まさひさ)
昭和23年10月生
昭和46年 業界に入り造園職人として修行を積む
昭和56年4月 「庭雅」創業
昭和62年11月 「株式会社 庭雅」設立
平成28年 株式会社庭雅会長就任
|1級造園施工管理技士| 1級造園技能士| 造園工事基幹者|
建築様式を問わず、自然をモチーフに見る人に感動を与える美しい景(空間)を創る喜びに日々まい進。
野趣あふれる和風モダンな個人庭園から、さまざまな素材を組み合わせたシンプルモダンなエクステリアまで、幅広いプランニング実績。とくに石組みや石材を利用した庭に定評あり。
自らプランを行った現場に対する思い入れも強く、今でも現場で指揮をとることも多い。
庭作りのこだわり
古き良き素材と新しいさまざまな素材の個性を生かしたオンリーワンの庭造り ※マイベストプロ京都取材記事より
田崎さんの庭造りは、石組みや石材使いも高く評価されています。
現場で指揮をとることも多く、庭に自然の趣を添える景石(けいせき)は、高さや傾きなどセンチ単位で気を遣いながら慎重に据え置くそう。
「トン単位の重い石もあり、後から置き換えが難しいですから。
しかも、剪定や植え替えで形や立地と変えられる植木とは異なり、普遍的な石は半永久的に残りますからね。」
「あるお客さまの庭には、約1トン半の立派な石があったのですが、小さな箱庭しかない町家だったので庭では使えず、玄関の三和土(たたき)で再利用しました。
3人がかりで半日かかった大変な施工でしたが、雰囲気があり非常に喜んでいただきました。
『お気に入りのあれがこうなった』『再利用が上手い』と言ってもらえたらうれしいですね」
ベテラン造園家の高い技術、豊富な知識、広い視野に脱帽。目指すは感動される庭
田崎さんは、京都の伝統技術も大切にしています。
「たとえば植木の剪定で使われる『すかし』は、文字通り植木の中も適度に刈り取って隙間を作る技術です。
風や日差しが中まで行きわたるため、植木の生育や花つきが良くなるうえ、防虫や病気の予防にもなるんですよ。
形を整えただけの剪定と同じように見えても、高度な技術と惜しみない手間が込められているんです」
樹木選びでは、日当たりや風通り、東西南北の向き、土の質など、さまざまな条件を考慮して決められています。
さらに、数年後の樹木の成長具合も予測しています。
「流行や好みだけで樹木を決めるのはおすすめしません。
人気のあるゴールドクレストや桜は、成長が早いため大きくなり過ぎて4~5年で伐採になることも。
さらに、前者のような外来種は生態系を崩してしまう恐れがあり、後者は虫がつきやすく実は世話も大変なんです。
お客様の言われるままではなく、環境や将来のことも考えて提案するのも造園家の仕事だと思います」
柔らかで明るい人柄ながら、高い技術、豊富な知識、広い視野に、造園家としての圧倒的な経験と誇りを感じさせる田崎さん。
車で街を走っていても面白いものを見つけたら手帳に書きとめるなど、感性や技術を磨く日々の努力も惜しみません。
それもすべて「庭でお客さまに感動してもらいたい」から。ベテラン造園家の新たな庭造りに目が離せません。
※マイベストプロ京都取材記事より
代表作品
門真の庭
五感を覚ます造形美(水・風・色・音)を求め、
憩いとやすらぎと自然を此処に
市松の庭
和のエッセンスを盛り込みつつ奥行を感じるアプローチのあるエクステリア
迎える庭
玄関脇にそっとたたずみ、来る人の目を楽しませてくれる一坪の小宇宙。
仰木の庭
春にはしだれ桜の花見酒、ツツジの紫花の誘惑に唄うシジュウガラ、夏には湖畔の夜空の饗宴秋には赤松越しのヨットの帆景。比良の里山と琵琶湖の借景をイメージしました。
生駒の庭
野趣あふれる大スケールの回遊式和風庭園。
京町屋の庭
狭小空間を生かした京町屋の庭。限られた空間の中、建築士のコンセプトとクライアントの要望をいかに造園として表現するかが作庭の課題となりました。里山の樹木を選び庭が暗くなりすぎないように意識しました。
橿原の庭
TVでも紹介された和風住宅のリフォーム。あずま屋までのアプローチはおばあちゃんが滑って転ばないように洗い出し仕上げで。既存の庭木も捨てる事なくアプローチ脇に植え替え。季節の移り変わりを楽しめる庭になっています。
山科の庭
柔らかい自然の風情漂うリノベーション。私達の庭にリノベーションの依頼が多いのは、主にハウスメーカーの仕事が中心なので内容が建物の解体からスタートします、外構、エクステリア工事と共に解体と共に出てくる既存の庭石、 庭木、石造品、そして 先代の思いが詰まったこれらを再利用し新しくお施主様の思いを最大限満足されるよう提案する。この思いの元に作庭しました。